◆そもそも歯科技工士って?
歯科技工士は歯科医師の指示に基づいて患者の治療に必要な歯科技工物(入れ歯や被せ物等)の製作や加工、修理を行う国家資格が必要な医療技術専門職です。一般的に知られる機会は少ないですが、歯科技工士は職人技とも言える高度な技術を有し、歯科医療を支える「縁の下の力持ち」的な存在として、私たちの歯の健康を守る上で欠かせない重要な役割を担っています。
しかし近年、歯科技工業界では高齢化が進み、技工士全体の約半数が50歳以上であると言われています。加えて歯科技工士養成施設や入学者の数は年々減少しており、新たな担い手が少なくなってきています。その一方、社会全体の高齢化などで歯科医療の需要が高まり、歯科技工士の業務量は増加しつつあるのが現状です。
◆歯科技工のデジタル化
入れ歯や被せ物などの歯科技工物ができるまでには様々な工程があり、各工程ごとに細やかな技術が求められます。従来、技工物の製作過程に時間がかかるだけでなく、技術の習得にも年月や経験を必要としてきました。
しかしながら、近年CAD/CAMと呼ばれる、コンピューターを用いて設計や製造を行う技術が導入され、デジタル化が進みつつあります。歯科技工においてのCAD/CAMとは、被せ物や詰め物などの補綴(ほてつ)物をCADやCAMのシステムを用いて設計、作製する技術を指します。従来はほとんど手作業で行っていた工程をデジタル化することにより、作業の簡易化、効率化を図ることができます。また、品質を一定に保つなどのメリットもあり、今後ますます期待される分野です。
※CAD: Computer Aided Designの略。コンピューター上で設計や製図を行うツール。
CAM: Computer Aided Manufacturingの略。コンピューター上で加工用データを作るツール。
デジタル化のメリット
当社は今後デジタル分野に注力し、作業にかかる負担を軽減し、歯科技工士の皆さんがより良い技工物を製作できるような製品の開発・製造を目指しています。