コラム

デンケン・ハイデンタルが選ばれる理由

代表取締役社長 奥野裕志

1965年、兵庫県尼崎市生まれ。 素材メーカーでの開発を経て1999年10月にハイデンタル・ジャパン株式会社に 入社。同社で長年歯科材料の開発に携わり、2014年7月、株式会社デンケンとの 会社合併後はマテリアル事業部にて技術職として働く。 2017年6月、デンケン・ハイデンタル株式会社常務取締役に就任。 2018年6月、同社代表取締役社長に就任。

歯科技工の総合メーカーとして、業界を支える急変するニーズに応えるための「地道さ」と「チームプレイ」

現在、歯科業界ではデジタル化が進んでいます。デジタル技術はアナログの手法と比べて日進月歩で、油断しているとあっという間に乗り遅れてしまう。だから我々も地道な情報収集は怠りません。学会で発表される最新技術の分析はもちろん、国内外の展示会にも足を運び各メーカーの製品トレンドや動向をチェックしたりしています。その上でお客様との会話の中にさまざまなニーズを見つけ出し、新たな商品の開発につなげています。 もともと私が技術職出身ということもあり、社内での開発の進捗については定期的に報告を上げてもらっています。弊社はやはり“メーカー”ですので、トップとして製品開発がどの段階にあるのか、常に把握することは最低限の責務です。 一方で、社員には何かアイデアがあれば積極的に出すよう求めています。先日も女性社員が雑貨屋で見つけてきた化粧品のブラシを「これ、歯科でも使えませんか」と言ってきて。そういう感性って私にはないものなので、これからも大切にしていきたいと思っています。

大切なのは結果ではなく、
要因を知り次へ進むこと

「奥野君、ただで起き上がるんじゃない。石ころでも何でもいいから何かつかんで起きろ」、これは大学時代の恩師が仰った言葉です。当時はあまり実感が湧きませんでしたが、社会人になってから改めて言葉の意味を実感するようになりました。 何かに挑戦した時に成功する確率というのは、失敗する確率よりもずっと低い。圧倒的に失敗する確率の方が高いわけですが、そこで諦めてしまうのは論外として、再トライする時になぜ前回失敗したのか、きちんと要因分析をすることが重要なのです。社内でも原因分析と報告は徹底していて、うまくいかなかったことよりも、なぜうまくいかず、次はどうするのかをしっかり考えてもらう。そうすることで、自ずと成功確率も上がってくると考えています。

苦境の時代にこそ、
“ただでは起き上がらない精神”で挑む

コロナ禍は歯科業界にも多大な影響を及ぼしています。根拠のないデマが流れたりして、歯科医院を訪れる患者さんも例年より30%くらい減少しているそうです。我々も思うように営業のできない苦しい時期が続きましたが、商品説明の動画を制作したり、オンラインセミナーを開催したり、さらには以前なら足を運んでいた簡単な修理を動画を見て行ったりと、いかにコロナ禍のマイナスをプラスに転じられるかを考えながら行動してきました。実際海外のお客様からは動画が非常にわかりやすいとご好評いただき、発注にもつながっています。

人々の幸せな暮らしを、これからも“歯”で支えていく

現在、私たちの事業領域は虫歯になってからの治療、あるいは歯が抜けてからの治療に限られたものです。 これからもその領域は社の主軸として継続していきますが、今後は一段階前の虫歯を予防する製品や、病院に行けない患者さんへの訪問治療に使えるような材料・機器なども開発していく予定です。 昨今の医療業界ではQOL(クオリティ・オブ・ライフ)、つまり生活の質を向上させましょう、という考えが重視されており、それを実現するために欠かせないのが“歯”。テレビCMでもしっかりものが噛めますよ、といった触れ込みの入れ歯安定剤をよく見かけますが、自分の歯や入れ歯で食べ物を噛み、柔らかいものは柔らかい、固いものは固いと感じることは非常に大事だし、楽しいことなんですよね。我々は歯科技工の総合メーカーとして、これからも人々の健全な生活を支えていきたいと考えています。